Archive for プログラミング

大昔のパソコンと自分で考える力

大昔のパソコンについて書いてみる

その当時(26年前、私が14歳の頃)は、ようやくパソコンというものが世の中に出だした頃で、各社それぞれ独自規格で設計して販売していました。

 Windowsなんてもちろん無いし、画面は16色しか出ない。だいたい超高い16ビットビジネスパソコン以外では漢字が使えなかった。ひらがなとアルファベットと数字のみ、そのため8ビットパソコンにはカナ変換やローマ字変換といった概念がなかった。そんなころからパソコンやっているので、私はローマ字入力が出来ない。

漢字が使える16ビットパソコンは100万円近くした記憶で、沖電気のif800や三菱電機のMULTI16などである。そのなものは中学生の小遣いでは買える訳が無い。しかし憧れは常にあり、いつかはif800・・・と想いを寄せていた。大人になった時、沖電気の株を買ったものだ。沖のif800は買わなかったが。。。

 最初に買ったPCは、三菱電機製のML-8000という機種です。中学生のお年玉で買えるパソコンはこれしかなかった。メインメモリーは32KB(現在当ショップで販売している機種は2048MB、つまり1/65536の容量である)、CPUはZ80で、クロック周波数は約3Mhzでした。現在は3Ghzであるため、1/1000程度の性能となります。

 その頃は当然ですが、エクセルなどの表計算ソフトやアクセスのようなデーターベースソフトもありません。当時のパソコンは、ソフトを自分で作る必要がありました。(カセットテープに録音されたゲームソフトは売ってはいたが・・・)

 私の場合、BASICでデーターベースソフトを作って、300本近くあったビデオテープを管理していた。また今のWindowsのペイントのようなお絵かきプログラムも作った。カラー画像を白黒プリンターに印刷するためのプリンタードライバーも書いた。これはマシン語で書いたのだが。。。 今から思えば大変な時代だった。

 BASICという言語が搭載されており(各社微妙に違うので、同じプログラムでは動かず、それぞれのメーカー別に作る必要があった)、その言語でプログラムを書いたものです。

 しかし、BASICは”インタープリター型言語”であるため、動作が遅く、大量のデータを処理する部分は、”マシン語”で書くのが普通でした。つまり主要部分はBASICで書いて、スピードが要求される部分は、ひとつのサブルーチンとしてマシン語で書く訳です。

 マシン語のプログラムリストは、下記のような感じです。
 

 マシン語と言うだけあって、ほとんど人間には意味不明な数値(16進法で表記)の羅列でしかありません。マシン語をそのまま読める人間がもしいるなら、そいつはきっと我々一般人とはかけ離れた外見と思考の持ち主だろう。絶対にいないと思うが。。。

 これではプログラムを書くのは相当に困難であるため、画像の右側にあるような、人間にも認識できる”アセンブリ言語”で書いてから、マシン語に変換していました。これなら一応意味のあるコマンドとして認識できる。

 アセンブリ言語をマシン語に変換するソフトを”アセンブラー”と言っていました。しかし、私はそのアセンブラーが無かったので、手動で変換していました。旧帝国海軍が開発したパープル暗号より難解な暗号コード表?を見ながら、適応するコードを拾うという気が遠くなるような作業をその当時は普通に行っていました。
 紙と鉛筆と消しゴムが必需品で、元のアセンブリ言語でのプログラムも、暗号コードに変換後(つまりマシン語)のコードも、ノートに鉛筆で書きました。(プログラムにバグがある場合などに消しゴムで消せるように、シャープペンで書くのです。)

 この気が遠くなるような暗号化作業(マシン語コード化作業)を”ハンドアセンブル”と言いました。

 そのプログラムは、たいてい一回では動かず、パソコンは暴走しました。つまり、暗号化の時に誤って違うコードに変換したか、コードをパソコンに入力する段階でミスタイプしたか、そもそもプログラムのアルゴリズムにバグがあるのか、いずれかの理由でプログラムは正常に動かないのです。(暴走しているのでPCをリセットするしかなく、よってデータは消失、何が悪いか検証するデータは消えるので、デバックは困難を極める。デバックとは、プログラムのミスしている箇所を見つけ出し修正すること。)

 こんなことは、他人に聞いても原因は判るはずもなく、そもそもマシン語を勉強している友達は知っている限りでは誰もいませんでした。この頃からPCをやっている人は、解らないことは、自分で勉強して調べて考えて、自分で解決するという考え方が染み付いています。(このころからPCやっている人たちが、自作PCブームに火を付けたのです。何でも自分で考え、解決し、自己責任でPC組立にチャレンジしたのです。)

 この精神が現在の子供たちに不足していると思います。現在はパソコンを買ってくればその日から使えるのです。電源入れるだけでWindowsが立ち上がり、何も考える必要がありません。私たちの子供の頃は、PC買ってきてもその日から使えません。私の場合は、最初の3ヶ月間はまともに動かすことができませんでした。半年くらい経ってプログラムの書き方を理解でき、動かせるようになったのです。(学校の勉強よりずっと楽しかった、自分で考え応用し結果を出す楽しみ、これが本当の学問だと思う。現在の日本人に欠落しており、日本の国力低下の元凶となっているのです。)

 自己責任で、自分で考え自分で解決し自分で結果を出す、そういう経験を今の子供たちにさせたいと常々思います。
 

 何事も自己責任という認識と、自分で考える力、これらが備わっていれば変な投資の勧誘やサギに騙されることもない。また大不況でも自力で考えて、手を打ち行動する力が付いているだろう。